コーポラティブハウスのような小規模な集合住宅が抱えている管理の問題とは?

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コーポラティブハウスに限らず小規模な集合住宅はスケールメリットがないため大規模修繕工事や管理コストが割高になりがちで住人一人あたりの管理費・修繕積立金の額が高くなる傾向があります。それ以外にも小規模なコーポラティブハウスの場合には、コストの問題から自主管理をおこなうケースもあり、特に住人の負担は重くなりやすいといった問題も抱えています。

問題1 大規模修繕工事の費用が割高になりがち

コーポラティブハウスは大規模修繕工事の費用が割高になりがち

小規模な集合住宅ではスケールメリットが得られないため、管理費や修繕積立金は割高になりがち

小規模なコーポラティブハウスの場合、消防設備やエレベーターなどの共用設備が備わっていないことも多く、こうした設備のリニューアル費用は抑えることができます。です。

しかし、大規模修繕工事費用の総額は少なくても、戸数が少ないため一戸当たりの修繕費用は大きくなってしまいがちです。

また、小規模なコーポラティブハウスの大規模修繕工事の費用が割高になる理由として、大規模修繕工事業者があまり工事をやりたがらないためどうしても割高な見積りとなりがちです。
なぜやりたくないかといえば大規模なマンションと比較して利益が少ないことや、デザインが優先され建物の構造が複雑で難易度が高いためです。

問題2 一世帯あたりの管理コストが高くなる傾向

コーポラティブハウスは一世帯あたりの管理コストが高くなる傾向
「エレベーターの点検費用」について考えてみるとわかりやすいでしょう。例えば、戸数が「100戸のマンション」と「10戸のコーポラティブハウス」に、ともにエレベーターが1台設置されている場合、その1台の点検費用を100戸で負担するのと10戸で負担するのとでは、当然、10戸で負担するコーポラティブハウスのほうが1戸あたりの負担額は増えます。

小規模なコーポラティブハウスにはエレベーターはない場合が多いのですが「増圧給水ポンプ」「排水ポンプ」なども同様ですので、やはり小規模であるほど日常的な管理コスト(管理費)は高くなる傾向があるのは同じです。したがって小規模なコーポラティブハウスほど、管理コストに関してシビアに見直す必要性があります。

問題3 特に理事になった場合の負担が重い

コーポラティブハウスでは、理事になった場合の負担が重い小規模なコーポラティブハウスの場合には、コストを抑えるために管理会社に仕事を頼まないで、自主管理をおこなうことも多いようです。この場合には、理事が管理組合の会計を担当して支払いをおこなったり連絡係などを務めることが多いでしょう。

理事は持ち回りでおこないますが戸数が少ない分、はやく順番が回ってきます。また、理事一人が通帳や印鑑等を預かる場合には、管理組合の大切な資産を管理するので、心理的な負担も大きいでしょう。

まとめ

小規模なコーポラティブハウスの場合、他の住人とのコミュニケーションという面ではメリットがある一方で、スケールメリットの恩恵を受けられないため資金面では厳しいことが多いでしょう。

大規模修繕工事の時期になって「資金不足で実施できない」「一時負担金が発生する」といった事態にならないように、事前に長期修繕計画や資金計画を作成しておくことが重要となります。