コミュニティの濃厚さがトラブルを生むことも
コーポラティブハウスはコミュニティがしっかりと形成されていることが利点として知られています。
他の住人とコミュニケーションがとれていることは、トラブルが発生する件数自体は少ないようです。
お部屋の購入後に、初めて顔を合わせることになる通常の分譲マンションと比較して、コーポラティブハウスのこうしたコミュニティがトラブルを防ぐとされています。
一方で、コミュニティが濃厚であることで、小さな不満を我慢することが重なって、結果として深刻なトラブルに発展することもあります。
特に入居者が密にコミュニケーションをとって建築するコーポラティブハウスだからこそ建物の完成までの過程で、入居同士の対立がおこる場合もあります。そのギスギスした関係が完成後も継続してトラブルにつながることもあります。
建物完成後のトラブル
建物完成後は、各住戸のオーナー全員が管理組合として、維持管理をおこなっていきます。
コーポラティブハウスは規模が小さいことや、住人同士の結束が強いため「自主管理」をおこなう場合も多くあります。
自主管理はコストの面では有利に働きますが、特に理事となった方の負担はかなりのものです。
例えば、毎月「通帳の記帳」をしてエクセルで入出金を管理して、払わない方がいれば連絡をしたり、「点検業者」「町内会」」への支払いなど思いの他手間がかかることに気付きます。
全員が持ち回りで公平にこうした負担をすれば文句もでないのですが、特にコーポラティブハウスの住人は、一般の企業にお勤めの方より、自営業であったり不規則なお仕事をされていることが多いため、何かと理由をつけては当番を辞退する方がでてきます。
こうなってくると一部の方に負担が重くのしかかり不満が募った結果、住人間のトラブルに発展するケースもあります。
コーポラの住人の「こだわり」がトラブルの原因?
特にコーポラティブハウスの住人は、デザインや考え方に対しての「こだわり」が強い傾向があります。
例えば、大規模修繕工事の進め方についても「発注先や方法」、デザインについても「塗装の色」「質感」などで対立関係になることもあります。
もちろん建築当初のメンバーは、建物を建築する段階で意見交換などをおこなってきていることから、相手のことをある程度理解しているので、喧嘩までに発展することはあまりないでしょう。
しかし、お部屋の売買などで、住人が入れ替わってくるとこうした関係性も薄れてくることで対立が生じることも多くなります。
相手のことを知っていれば腹も立たない
コーポラティブハウスに限らず、集合住宅の住人同士のトラブルの多くは、相手のことを良く知らないことから起こります。
例えば、隣戸との騒音トラブルでは日常的に挨拶などを交わす関係があれば多少の騒音があっても気にならないものです。
しかし、相手の顔や家族構成もわからない関係性では、ちょっとした物音であっても過敏に不快感をおぼえます。
まとめ
コーポラティブハウスの密接なコミュニティーは住人同士のトラブルを防ぐ役割を果たすといわれる一方で、距離が近いことで煩わしいという一面ももっています。
コーポラティブハウスの特有のトラブルとして、建築当初のルールが「管理規約」「使用細則」に反映されていないこととも多く、売買などで新しい住人が加わるとそれまでの関係性が希薄になり、暗黙の了解が通用しなくなります。
トラブルを防ぐために、コーポラティブハウス内で、丁度良い距離感を継続できるように定期的に、クリスマス会や忘年会などのイベントを開催することも有効でしょう。
また、「規約」や「使用細則」の見直しを随時おこなっていくことで、後から入居した方に対しても、これまでのルールが継承されるようにしていくことも大切です。
