疑問あり!コーポラティブハウスは、分譲マンションより安いって本当ですか?

コーポラティブハウスは、分譲マンションより安いって本当ですか? つくる/参加
コーポラティブハウスの企画会社(コーディネイト会社)によると、コーポラティブハウスは分譲マンションと比較した場合、1~2割程度価格が抑えられるという。理由としては、コーポラティブハウスの場合は、モデルルームなどの広告宣伝費用が少ないことや中間マージンを省くことがあげられています。実際のところ、ディベロッパー主導の分譲マンションよりもコーポラティブ方式は、価格を安く抑えることができるのでしょうか?

コーポラティブ方式と、分譲マンションの価格比較

「コーポラティブハウス」と「分譲マンション」それぞれに魅力があって、優劣をつけることはできません。価格についても「立地」や「設計」は建物毎に異なりますので、比較することは難しいのですが、一般的にコーポラティブハウスの方が安いとされている情報に対して、疑問の目を向けてみます。

すべての条件を同一とすればコーポラティブ方式の方が割高

仮に、非現実的ですが、すべての条件を同じ(同じ土地、同じ建物)にして、デベロッパー主導の通常の「分譲マンション方式」と「コーポラティブ方式」で比較した場合には、あくまで推測ですが、コーポラティブ方式の方が割高になるケースの方が多いでしょう。

平均的な分譲マンションの原価の内訳は、土地代 32%、建築費 48%といわれています。

つまり、「土地代」と「建築費」で建物の原価の80%に達します。また、昨今の人件費や資材の高騰があり、より建築費が占める割合が増えています。

これはコーポラティブ方式であっても同じことです。

したがって、全体のコストを下げるには「土地の仕入れ力」と「建築費を抑えるノウハウ」が何よりも必要ということです。

この点に注目してみると、コーポラティブハウスの企画会社より、大手のマンションのデベロッパーの方が企業規模が桁違いに大きいため、

土地の仕入れの力(土地代)や、ゼネコン(建築費)への発言力が強いため、原価を抑えられる傾向にあると推察できます。

また、通常の分譲マンションの方が、市場規模が格段に大きく販売競争が激しいため企業努力でコスト削減が進んでいると考えられます。

広告宣伝費についてもコーポラティブ方式であっても入居希望者を集める必要があるため分譲マンションと同様にコストを掛ける必要があるでしょう。

また、コーポラティブハウスの用地の仕入れに関して補足すると、入居希望者の募集時には候補地は決まっていますが、実際にはまだ土地の購入が行われていません。

実際には、土地の所有者に購入を待ってもらっている状態です。これを「停止条件付き売買契約」といいます。プロジェクトが進んで建設組合が立ち上がるまでは土地代金を支払う義務は生じません。もちろんプロジェクトが中止になった場合には土地の売買契約は無効となります。

土地の所有者にとってもプロジェクトが中止になったら土地を売却できないリスクがあります。それでも土地の所有者がコーポラティブハウスの用地としての売却を検討する理由は、他の業者より高値を付けてくれるからです。

言い換えれば、コーポラティブ方式の場合には、相場より高値をつけないと土地の購入は難しいということになります。

現在では、マンションブームのあおりを受けて、コーポラティブハウスは資金力のあるデベロッパーと競合して用地の取得が困難になっています。

コーポラティブハウスの方が安価になるケース

コーポラティブハウスの方が安価になるケースコーポラティブハウスの方が安価になる要素としては、例えば、一般的な分譲マンションの用地には向かない、旗竿地などの特殊な土地に建築した場合には、土地の価格が低い分、近隣の分譲マンションと比較すればコスト面では有利に働くでしょう。

その他、コーポラティブハウスの場合は設備や意匠の面で一般的な分譲マンションより簡素な場合が多いので、当然ですがこの場合は「建築コスト」では有利になります。

具体的には「エントランスホール」や「管理室」、「防犯カメラ」「オートロック」「宅配ボックス」などの設備がない場合や、意匠でもタイル張りではなくコンクリート素地の場合などです。

まとめ

コーポラティブハウスの魅力は作る過程コーポラティブハウスは、広告費やデベロッパーの利益などの無駄を省いているために、分譲マンションと比較して一概に安価になるというのは間違いです。

しかし、コーポラティブハウスの場合には、マーケティングの面で、一部の意識の高い方に向けた思い切った設計ができます。

例えば、現代の分譲マンションでは必須とされている「オートロック」「防犯カメラ」等の設備や「外壁のタイル張り」「エントランスの大理石」等の意匠を省略すれば、コストを削減できる可能性があるといったところでしょう。

現在では、スケルトン・インフィル仕様の分譲マンション『(柱・床・天井・梁などの躯体部分)と(住戸内の内装や設備の部分)を完全に分離』が増えています。

この仕様の場合には、ライフスタイルの変化にともない設備配管・配線の移動が容易であるため、間取りなどを自由に変更することが可能です。

また、分譲マンションも以前のような画一的な外観の似たようなタイル張りの仕様だけではなく、木の素材感や質感などに特徴を持ったデザインが当たり前になってきました。

こうなると、企画会社が主導してきたコーポラティブハウスが売りにしてきた「安価」「設計の自由度」といった利点は、必ずしもコーポラティブハウスだけのメリットではなくなって来ています。

これからのコーポラティブハウスは、「安価に購入できるデザイン住宅」というよりも、コーポラティブ方式本来の、「つくる過程を楽しむストーリー」に価値を見出していく必要があるでしょう。

つくる/参加
コーポラティブハウスは、集合住宅の理想的な仕組みですが「中立的な立場」で、詳しく解説している書籍やウェブサイトはほとんどありません。「コーポラティブハウスの教科書」では、一般的な分譲マンションと比較しながらコーポラティブハウスの「メリット」や「デメリット」について解説していきます。
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