コーポラの機械式駐車場の「維持管理費用」の問題
機械式駐車場は、非常に維持管理費が高くつく設備として知られています。機械の「鉄部の塗装工事」や「モーターの交換」などは定期的に行う必要があります。また、30年を経過すれば機械の総入れ替えも検討しなくてはなりません。
機械式駐車場の構造によって上下しますが、既存の駐車場を解体して新たに設置する費用は1パレットあたり150万円程度とされています。
ですから年に4回程度行う保守点検費だけを、使用者から使用料として徴収しても、長期的な機械式駐車場の維持費用には全く足りません。
機械式駐車場の使用料は「修繕積立金」に回す
機械式駐車場の使用料は、定期的な保守点検費用の他、「部品の交換費用」「鉄部の塗装費」「機械の総入れ替え」など長期的な維持管理費用を考慮して設定しなくてはなりません。
したがって使用料から定期的な「保守点検費」を差し引いた額は、将来に備えて修繕積立金に移すことが望ましいでしょう。
機械式駐車場の空きの問題
昨今では車離れが加速してマンションなどの共同住宅でも駐車場の空きが目立つようになってきました。
しかし、コーポラティブハウスの場合には比較的「車を所有する」割合が多いことや、そもそも駐車場の区画を特定のオーナーが権利を持つといった通常の分譲マンションとは異なる扱いになっていることも多いため「駐車場の空き」が問題になることはあまりないようです。
機械式駐車場の料金設定
長期的な維持管理費が不足するようであれば駐車場の「使用料の値上げ」も検討しなくてはなりません。
この場合には近隣の駐車場の価格を調査して同程度に上げるのが一般的な方法です。しかしそこまで使用料を上げても維持管理費用に足りないこともよくあります。
この場合にはメンテナンスコストを減らすために、「独立系」の機械式駐車場の点検業者に変更したり、「点検の回数を減らす」などの対策も検討せざるを得ないでしょう。

まとめ
コーポラティブハウスの管理組合は将来を見据えれば「電気自動車用充電設備用のコンセントの設置」「カーシェアリングの導入」や駐車場の「外部への貸し出し」なども考慮していく必要があるでしょう。
機械式駐車場の長期的な維持管理費用を満たす「資金計画を作成する」には、長期修繕計画の中に機械式駐車場のメンテナンスコストを反映してそれに見合った「使用料を設定」することが基本です。