コーポラティブハウスの中古購入の注意点

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今回は、コーポラティブハウスの中古の購入を検討されている方に向けて「中古購入時の注意点」について解説していきます。「コーポラティブハウスの中古売却の難しさ」では『建設当時の入居者の「こだわり」を反映した』個性的な設計であることが多く、購入希望者が現れづらいというデメリットをお話をしました。反対に、購入を検討されている方については、コーポラティブハウスの魅力でもあるデザイン性の高い住宅を安価に購入できるチャンスとも言えます。しかし、デザインが高さが仇になって、建物の「不具合」や「劣化」が進んでいる場合もありますので購入に関しては慎重に検討しましょう。

コーポラティブハウスとは

コーポラティブハウスとはコーポラティブハウスとは、一般的な分譲マンションの仕組みとは違い、コーポラティブハウスの企画会社等が募集するプロジェクトに参加する方が組合を結成して、組合主導のもと土地の取得や施工業者への発注をして建てられた建物のことです。

「購入」するのではななく「つくる」と表現するのが正しいのが、コーポラティブハウスの新築時の住まい方です。

画一的な分譲マンションとは違い、個性的なデザインの建物が多いのが、中古で購入する際の、コーポラティブハウスの大きな魅力の一つです。

コーポラの中古購入の注意点

もしも「個性的」「デザイン性が高い」コーポラティブハウスが、自分の好みとマッチするようであれば、比較的割安で理想に近い住宅を手にいれるチャンスとなります。また新築時の「つくる」という数年かかる過程を省くことが出来るのも中古での購入のメリットです。

一方で、デメリットに目を向けてみれば、万人向けの一般的な分譲マンションとは違い、コーポラティブハウスはその個性ゆえに「ハード面」「ソフト面」で注意すべき事項も数多くあります。

そのため、コーポラティブハウスを購入して後悔している方がいるのも事実です。。。

そこで、この記事では、コーポラティブハウスの中古購入を検討するさいに注意すべき「4つの注意点」について述べたいと思います。

注意点1 建物の管理の状況は要確認

コーポラティブハウスの管理の状況コーポラティブハウスに限らず多数の住人で共有する集合住宅においては、日常の「管理」や長期的な「修繕計画」がどのように設定され、運用されているかが重要となります。

日常的な管理に関しては、実際に建物を見学にいって自分の目で確かめることが基本です。

特にコーポラティブハウスの場合には、外壁がコンクリート打ち放しの場合が多く、管理が行き届いてないとクラック(ひび割れ)から漏水などが発生する場合が多くあります。

コーポラティブハウスの場合には、特徴的な「構造」や「意匠」により施工時の不具合や経年でのトラブルが多く、昨今の、ブランド毎に規格があって繰り返し建築している分譲マンションのような、品質を望むことはそもそも困難です。

コーポラティブハウスは、個性的で制限の多い敷地に、複雑な構造の建築物を設計者とゼネコンが知恵を絞りながらつくりあげていく一点物ですから、企画ものを量産していくわけではないため、完璧な仕上がりは望めません。

例えば、コンクリート打ち放しの「壁面の欠け」や、「細かなひび割れ」、共用のゴミ置き場の特注の「扉の開閉がスムーズではない」といったことは、コーポラティブハウスの場合には個性ともいえることで、それを味と受け止めることが出来るかが、中古で購入してコーポラティブハウスを気に入ることができるかの大きなポイントとも言えます。

「窓サッシ」や「壁面」「浴室」の『漏水』は要チェックポイント

コーポラティブハウスの漏水の問題

しかし個性で片づけることのできない「窓サッシや壁面からの漏水」や、「鉄部の極端な錆」などは建物の耐久性や住み心地に悪影響を及ぼしますので中古で購入する場合には事前チェックが欠かせません。

また、コーポラティブハウスでは、ほとんどの住戸がユニットバスではなくタイルなどで浴室を仕上げていく「在来工法」になっているため浴室も漏水が発生しやすい箇所です。

繰り返しになりますが、築浅だから「まさか漏水はないだろう」と思いがちですが、コンクリート打ち放しなどの個性的なコーポラティブハウスの場合には、竣工当初から漏水があるケースを実際に数多く目にしていますので必ず確認をしましょう。

当然、外観からは漏水などを判別することは不可能ですから、購入前には部屋内を十分観察する必要があります。できれば専門家に同行を依頼するのが望ましいでしょう。

補足:住人による自主管理に要注意!

自主管理は大変共用部分の日常管理については、特に小規模のコーポラティブハウスの場合には、清掃は最低限、「月に数回」管理会社がおこなうといった場合や「住人が持ち回り」でおこなう場合もあります。

当然のことですが、日常的に専門業者が清掃をおこなっている一般的な分譲マンションよりも経年の汚れが目立つ場合や、住人が清掃をおこなう場合には、住人の負担も大きいので、自分にとってそれが許容範囲内であるか確認が必要です。

一般的な分譲マンションであれば、分譲時から管理は「管理会社」に外注されているケースがほとんどです。

しかし、コーポラティブハウスの場合には費用節約のため管理会社に外注をしないで住人自らが自主管理をおこなっている場合や、「点検」や「清掃」だけ専門業者がおこない、管理費や修繕積立金の帳簿付けなどは住人が持ち回りでおこなっている場合もあります。

自主管理の場合には、住人の負担が多くなるのは当然ですが、管理会社に外注している場合であっても、コスト優先で管理会社を選んでいるケースもあり、この場合には、一般的な分譲マンションのような至れり尽くせりの管理を望むことができません。

そうなると、管理手間を避けるために「戸建」ではなく「集合住宅」を希望したのに、結局持ち回りで様々な雑務をやる羽目に…なんてことにもなりかねません。

コーポラティブハウスの中古購入時には「清掃」「点検」「帳簿付け」等が外注されていない「自主管理」の状態であるか否か?また、管理会社に外注している場合には「管理会社」の良し悪しもしっかりと確認する必要があります。

注意2 コミュニケーションが苦手だと難しい

コーポラティブハウスはご存じのとおり、建設時から住人間のコミュニティが形成されているため、建設後もそのコミュニティが維持されている傾向があります。

そのため、自分以外の他の住人同士は気心も知れているため、後からそのコミュニティに入るにはそれなりのエネルギーが必要とされます。

中古で購入する場合には、すでにできあがっているコミュニティの中に外部から入るわけですから、ある程度のコミュニケーション能力がないと他の住人と馴染むことが難しいでしょう。

要するに購入後に、普通のマンションのように隣の住戸に、ご挨拶をすれば十分とはいかず、コミュニティに積極的に入っていくという気持ちがないと居心地が悪いことになりかねません。

また、数ヶ月に1回、持ち回りで自宅でパーティーをするなんていう建築当初からの慣例があったりするので社交性が強い方にはメリットである反面、そういう事は煩わしいという方だと、コーポラティブハウスの本来の魅力を感じることは困難でしょう。

注意3 修繕積立金が急に値上がり!

修繕積立金が急に値上がりコーポラティブハウスを中古で購入する際には、修繕積立金の安さも魅力のひとつだったのに、入居したらすぐに修繕積立金が値上げされたなんてこともあります。

コーポラティブハウスは、自主的な運営がされている場合が多く、管理の専門家が関わっていないため、適切な修繕積立金が設定されていない場合も多くあります。

このような場合には、大規模修繕工事の直前になって資金が足りないことに気が付いて、急に修繕積立金を値上げすることがあるので注意が必要です。

長期修繕計画が作成されている?

一般的な分譲マンションの場合には、分譲時に管理会社が長期修繕計画を作成しています。

この「長期修繕計画」ですが、これは、現在から30年以上未来の建物の修繕費用などを予測して、10~15年程度の周期でおこなわれる大規模補修工事の費用が不足しないシミュレーションをするためのものです。

このシミュレーションの結果、修繕積立金が不足するとわかれば修繕積立金の値上げ等を検討しなくてはなりません。

入居者はこの長期修繕計画のシミュレーションの結果、算出された、毎月の修繕積立費を管理組合に支払い大規模修繕工事を実施するときは、この積立金から支払うという運用がなされています。

しかし、この長期修繕計画がコーポラティブハウスの場合には、正確に立てられていないケースが多く、実際の修繕工事の際に、想定外の出費が必要となり、急激な修繕積立金の値上げや一時負担金として各入居者に求められる可能性があります。

また、一般的な分譲マンションでは、前述の「管理会社」が、これまでの蓄積したデーターなどをもとに「長期修繕計画」を作成していることが多いのですが、コーポラティブハウスでは自主管理の場合も多く「長期修繕計画」の精度についても疑問が残ります。

実際に長期修繕計画が作成されていても専門的知見があまり含まれていない計画になっていることも多く、中古でコーポラティブハウスの購入を検討する場合にはしっかりと確認する必要があります。

<不適切な長期修繕計画の例>

コーポラティブハウスの不適切な長期修繕計画

竣工当初の長期修繕計画では、コーポラティブハウスの実態に即していない項目(この場合はエレベーターのリニューアル費用が計上)が記載されているなど、その精度に疑問が残ります

補足:コーポラの大規模修繕工事の費用は思いのほか高い

コーポラティブハウスの大規模修繕工事の費用は高いそもそも、コーポラティブハウスの場合には長期的にみると大規模修繕工事の費用が思いのほか高額になり、修繕積立金を高く設定せざるを得ない場合もあります。

コーポラティブハウスの場合には、素材のままという仕上げが多く見受けられます。

一般的な分譲マンションの外壁や床面のタイル仕上げに比較して、メンテナンス周期が短くなる傾向があります。
昨今の分譲マンションでは大規模修繕工事の周期を12~15年程度とするのと比較して、コーポラティブハウスの場合には10~12年程度でおこなう必要性がありますので、その分長期的には大規模修繕工事のコストが増えてくることも想定されます。

また、屋上の防水に関しても、コーポラティブハウスの場合には、その複雑な形状がデメリットとなって屋上防水や足場代も修繕コストが高騰する要因となります。

注意4 住人間や近隣住民との関係性が悪い場合もある

コーポラティブハウスと近隣とのトラブル最後に、「住人間や近隣住民との関係性」についてです。

コーポラティブハウスは、入居希望者で構成される建設組合で建物の建築を進めていきます。つまり購入時には既に住人同士や近隣住民との関係性が出来上がっています。

もちろん、各利害関係者の合意のもとで事業推進できれば、より強固な関係性を築くことができます。一方で、もしも建設事業の過程で「揉め事」があった場合、その後の関係性も良好でなくなっている可能性があります。

また、コーポラティブハウスは、一般的な分譲マンションの立地とは異なり、旗竿地など奥まった場所に建築されている場合も多く、建設の段階で近隣とトラブルになっている事もあります。

したがって、コーポラティブハウスにおいては、とかく「コミュニティーの良い面だけが強調されがち」ですが「入居者同士や近隣住民との関係は良好であるか」「自分が後からそのコミュニティに馴染めるか」といったことは要確認するべき注意点となります。

注意5 中古売却時には金額が下がることも

中古でコーポラティブハウスを購入する場合には、将来のことも踏まえて売却のことも一応考えておく方が望ましいでしょう。一概には言えませんが、コーポラティブハウスにシニア層が暮らしているケースは少なく、どちらかといえば終の棲家というよりは、いずれは引っ越しを検討する方が多いようです。

個性的であるコーポラティブハウスは、どうしても中古売却の場合には購入希望者の相対数が、一般の分譲マンションよりも少なくなります。従って売却をしたいと考えてもすぐに買い手が現れるとは限りません。

また、不動産の価格は需要と供給のバランスが反映しますので、その点のリスクはしっかりと見込んで購入する必要があります。

別記事の「コーポラティブハウスの中古住宅の難しさ」に詳しく記載しています

ということで、今回は【コーポラティブハウスの中古購入の注意点】についてまとめてみました。

買う/売る
コーポラティブハウスは、集合住宅の理想的な仕組みですが「中立的な立場」で、詳しく解説している書籍やウェブサイトはほとんどありません。「コーポラティブハウスの教科書」では、一般的な分譲マンションと比較しながらコーポラティブハウスの「メリット」や「デメリット」について解説していきます。
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