コーポラティブハウスに設置されているエレベーターは年に1回の法定点検が義務付けられている他、財団法人日本建築設備昇降センター発行の「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」によって1ヶ月に1回の点検を行っている管理外組合がほとんどです。ただし、メーカー系のエレベーター保守会社では「遠隔監視システム」を採用しているため、実際に現地に来て行う点検は3ヶ月に1回程度が通常です。今回は、エレベーターの保守点検作業について解説していきます。
コーポラティブハウスのエレベーター保守点検とは
エレベーターで行われる点検作業は、エレベーターの機械の「点検」「給油」「清掃」「調整」「消耗品等の交換」をおこないます。そして、エレベーター点検の契約形態には「フルメンテナンス契約」と「POG契約」があります。
また、管理組合が直接エレベーター保守会社に業務を発注するのか、管理会社を通して発注するかの選択肢があります。
管理会社を経由しても通常は管理会社のスタッフにエレベーターの技術者はいないことから、コスト削減を目指すのであれば直接エレベーターの保守会社に発注するのも良いでしょう。
エレベーター点検の契約形態
- フルメンテナンス契約
- 月々の契約料金の中で部品の修理や交換が含まれているため、常に最良の状態が維持できる
- POG(パーツ・オイル・グリース)契約
- 月々の契約料金の中で消耗品・オイルの交換はおこなうが、部品の修理や交換が必要になった場合には別途料金
エレベーター保守点検業者は「メーカー系」「独立系」?
主に共同住宅のエレベーターの保守点検をおこなっているのは、エレベーターを製造している「三菱」「東芝」「日立」「フジテック」といった会社の系列業者です。しかし昨今では独立系の保守点検業者に依頼するケースも増えてきました。
独立系の保守点検業者の魅力は何と言ってもコストが安いことです。公正取引委員会も「メーカー系」と「独立系」の適正な競争を促す姿勢を打ち出しています。
独立系のエレベーター保守会社に変更することでエレベーター1台あたりの点検費用が月額8000円程度は安くなるのが一般的ですので、小規模のコーポラティブハウスでは一世帯あたりでそれなりの削減効果が見込めるため変更を検討するのも良いでしょう。
まとめ
エレベーター保守点検で悩ましいのは「フルメンテナンス契約」か「POG契約」どちらにするかということです。管理組合の考え方にもよりますが、一般的には『メーカー系のエレベーター保守会社に依頼する場合には「フルメンテナンスプラン」』、『独立系のエレベーター保守会社に発注するのであれば「POG契約」』にすることでそれぞれの会社のメリットが活きてくるでしょう。