前の管理会社との良好な関係を保つのが基本
理事会にとっては、新しい管理会社の「選定」作業より、前の管理会社から新しい管理会社への「引き継ぎ」作業の方が手間暇がかかるかもしれません。
それは現行の管理会社が引継ぎに非協力的である場合が多いからです。
こうした引き継ぎに協力していただくためにも、管理会社変更の過程では、前の管理会社との良い関係性を保てるように配慮しながら進めていくことが重要と言えるでしょう。
「新しい管理会社」への引き継ぎ作業
管理会社と住民との継続的な案件については「引き継ぎ書」などの書面を用意して新しい管理会社に確実に引き継ぎを行う必要があります。
また、管理組合の「資料」(竣工図書や議事録など)の原本が「前の管理会社で保管されていないか?」よく確認を行って、確実に返却されるようにしましょう。
建物の「共用部分」や「機械式駐車場」「配電盤」などの「鍵」は、管理会社に預けていることが多いので、預けた当時の鍵の借用書などを参考にして、鍵の「種類」や鍵の「ナンバー」を比較しながら必ず原本が返却されるように確認をします。
引き渡される「鍵」や「書類」は、新しい管理会社のサポートを受けながら一覧表を作成して、「新しい管理会社」と「理事会」がチェックをおこないながら引継ぎをおこなっていく必要があります。
また「管理人」や「清掃員」が使っていた備品が管理組合のものなのか、前の管理会社のものなのか確認を行って管理組合の所有物が引き上げられないように注意を払いましょう。
最終的には「前管理会社」と「新しい管理会社」そして「理事会」が引き継ぎの場を設けて実際に一つ一つ確認をしながら確実に引き継ぎをおこないます。
まとめ
建物完成から長年同じ管理会社に業務を依頼してきた場合には、特に「前の管理会社」が抱えている情報が多いため「新しい管理会社」への引き継ぎが重要となります。
管理業務は多岐にわたるため管理会社の「担当者」や「管理人」の『頭の中』にしか残っていない記憶も多くあります。
こうしたことを新しい管理会社にしっかりと引き継ぐには、「前の管理会社」の協力を得るほかありません。
協力を得るためには、管理会社を変更する過程の中で前管理会社に対しても敬意を払って関係がこじれないように進めていくことが最終的に管理組合にとって「有益」なこととなります。
また管理組合の財産である「書類」や「鍵」が管理会社変更の過程で紛失してしまうことはよくあることですのでチェックリストなどを作って漏れがないようにしていきましょう。