コーポラティブハウスは中古売却が難しい?
結論から言うと、コーポラティブハウスは「中古売却は難しくなることが多い」です。理由としては、「建設当時の入居者の”こだわり”を反映した個性的な設計であることが多く、中古購入希望者が現れづらいため」です。
通常の分譲マンションでは「デザイン」や「間取り」「設備」などが最大公約数的に企画されているので中古で購入したいという方がそれなりにいます。
そもそも、コーポラティブハウスの醍醐味は『自分の「こだわり」に応じた住宅に住むことができる』という点です。つまり、コーポラティブハウスは必然的に『建設当時の入居者の「こだわり」を反映した個性的な住宅』になっていることが多いです。
その住宅は、建設当時の入居者にとっては大変価値のある住宅にはなっていますが、一方、他の人にとっても同じように価値のある住宅ではないことが多いのです。
自由度の高さが中古売却の難しさにつながる
例えばコーポラティブハウスでよくあるのが間取りが、室内に階段があるケースです。
現オーナーにとっては外国の住宅のようでお気に入りだったとしても、一般的には、階段はデッドスペースと考えられて、床面積に対して有効に使えるスペースが減ることで嫌がられます。
住宅一般に言えることですが、建物にデザインに個性やライフスタイルが反映されるほど売りにくくなる傾向があります。
自由なデザインが売却時のデメリットに!
・開放感を求めて「特注の大窓」を設計
⇒一般の住宅ではあり得ないほど、外から丸見えで、プライバシーが確保されていない。
・広々としたLDで夫婦2人で暮らしたいため、100m2の1LDKを設計!
⇒LDKの購入希望者層は、「価格が安い」「40m2程度」を求める「単身・夫婦」がほとんどであり、100m2の1LDKは需要小。
といった感じで、コーポラティブハウスの場合には、その他多数の人々が求める住宅空間とはマッチしない仕様となっていることが多いのです。
コーポラティブハウスは万人受けしない
通常の分譲マンションは、不特定多数に対して商品企画をおこなうため、「100点満点」ではないまでも、多くの人にとって「80点程度」の住宅仕様を目標にして作られています。
特定の個人にとっての「100点満点」を目指して作られたコーポラティブハウスは、一方でその他大勢にとっては「50点未満」の住宅となってしまうこともあるため、どうしても中古住宅市場のなかで「競争力の低い」住宅商品となっていまい、「売りづらい」という課題を抱えてしまうというわけです。
車でも時計でも、個人の好みに合わせて「改造」を行ってしまうと、中古売却が難しくなります。住宅においても同様の考え方で中古市場が成り立っていると考えて頂ければと思います。
まとめ
コーポラティブハウスが中古での売却時に金額が相対的に低くなるリスクがあっても、そのことだけでコーポラティブハウスに魅力がないわけではありません。
自分仕様のこだわり抜いた設計ができるコーポラティブハウスは、とても魅力的な商品です。
コーポラティブハウスに永住するつもりで将来売却することを考えないという選択肢であれば全く問題はないわけです