コーポラティブハウスの「管理規約」「使用細則」は、そこで暮らす住民が「快適」「安全」に生活するための「ルールブック」としての役割を担います。コーポラティブハウスで使用される管理規約は、一般的に国土交通省が作成した「マンション標準管理規約」をベースにそれぞれのコーポラティブの諸事情などに合わせ一部修正したものをコーポラティブハウスの管理規約としているケースが多いようです。一方で、使用細則は、住民の日常的な「暮らしのルール」と言ったもので、共同生活を営む上での細かいルールを定めています。ここでは「管理規約」と「使用細則」の『役割』『改正方法』などの違いについて解説していきます。
「管理規約」と「使用細則」の特徴とは
管理規約は「管理組合の憲法」とも表現されコーポラティブハウスに暮らす上で守らなければならない基本的な約束事です。
管理規約は区分所有法をベースとして「共用部分」と「専有部分」の範囲を明確にしたり、管理に要する費用の「住民間の分担」や「理事の役割・仕事」などを定めています。
管理規約で定める内容は、「区分所有法と異なる定めができない事項(強行規定)」と、「管理組合毎の判断で自由に定めることができる事項(任意規定)」に分類されます。
例えば「管理規約の変更」などは区分所有法によって「特別決議」が必要とされている強行規定のため、管理規約で『「普通決議」で管理規約の変更をできる』と定めることはできません。
管理規約と使用細則の違い
管理規約 | 使用細則 | |
内容 | コーポラティブハウスで生活する上での基本的なルール | 日常生活における注意事項や使い方などのより詳しいルール |
改正のルール | 総会の「特別決議」が必要で『区分所有者の3/4以上と議決権の3/4以上』の同意を得ること | 総会の「普通決議」として規約に別段の定めがない場合には『区分所有者と議決権の各過半数』の同意を得ること |
まとめ
実務上の「管理規約」と「使用細則」の大きな違いとしてあげられるのが、改正のルールが管理規約は「特別決議」が必要であるのに対して使用細則は「普通決議」で行うことができると言うことです。
例えば、自転車置き場を有料化するとなった場合には「管理規約」に自転車置き場が有料であると記載して、「使用細則」には細かな自転車置き場のルールを記載します。
使用細則には「申し込み時の手続き」や「違反した場合の罰則」「月額」などの細かなルールを記載することで、総会の「普通決議」で「月額」などを比較的簡単に訂正をすることが可能になります。
また、使用細則の変更については理事会の権限で行うことができるといったルールを事前に定めることも可能です。
使用細則を活用することで管理組合の実情に合ったルールを迅速に定めていくことが可能となります。